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 |  | 笹倉鉄平 作品コメント 
 『シャペルリー 〜 La Chapellerie 〜』
 
 
 『シャペルリー 〜 La Chapellerie 〜』
 フランス・イボワール/France Yvoire
 原画 油彩画/Original Oilpainting
 原画制作 2019年/Original Drawn 2019
 
 
 
        
          
            | 作品へのコメント 
 フランスとスイスの国境に横たわる、レマン湖。
 そのフランス側に在る美しい村、イボワールを訪ねた。
 昔ながらの石積みの家並みが続き、
 あちらこちら花木や鉢植えの花々で彩られている。
 道行く人々の多くが笑顔で、犬と一緒にそぞろ歩く人も多く、
 華やいでいながらも、のどかで優しい空気に満ちていた。
 
 *     *     *
 
 湖畔近くの小さな広場の真ん中にプラタナスの大樹があり、
 良く晴れた昼下がり、大きく枝を広げて日陰を作っている。
 そして・・・木陰の向こうに、味わいある帽子屋を見つけた。
 
 何ともフランス的で瀟洒な店構えで、
 オーニング・テントの上では、木洩れ日がキラキラと踊っている。
 店先には様々な種類が並び、私のような"帽子好き"にはたまらない品ぞろえだ。
 中へ入ってみると、一番奥の壁面に大きな窓。
 窓辺から覗けば、すぐそこに湖面が迫り、陽光に碧くきらめいていた。
 なかなかお目にかかれない店のシチュエーションに、
 一瞬にして心を奪われた――
 
 フランス語で「帽子」は「Chapeaux(シャポー)」。
 単語を見ていて・・・その響きからなのか、綴りからなのか、
 なぜかフッと頭に浮かんだのは、「ショパン(Chopin)」だった。
 ショパンは、"ピアノの詩人"と称されて愛されるロマン派の作曲家。
 軽快な「仔犬のワルツ」は、よく知られているし、
 実は「猫のワルツ」という曲も作っている。
 そんな犬・猫を好きであったろう心境に、ついシンパシーを感じて、
 テント地に書かれていた店名を「Chopin」にしてみた。
 そこで、実際にはこの場所に居なかった、犬たち猫たちのくつろぐ姿を登場させ、
 緩やかでほのぼのしたムードを添えてもらおう、と思った。
 
 “幸福な光を浴びる”そんなイメージを表現したかった。
 
 
 笹倉 鉄平
 
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 All of Works (C)TEPPEI SASAKURA / ART TERRACE
 
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